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[2024年7月22日]NATOサミットでのジョージアの「不在」

日本でも報道されているように、7月9~11日からワシントンDCでNATO設立75周年を記念するサミットが開催されました。日本では岸田首相の3年連続となるNATOサミット出席が話題になりました。ジョージア政府はブログで連続して取り上げたダルチアシュヴィリ外相が参加したものの、コバヒゼ首相は欠席しました。


ジョージア関連で話題になっているのは、首脳宣言において、ジョージアが僅か一回しか触れられなかったこと、何よりも2008年のブカレスト・サミット以来継続して用いられてきたジョージアの将来の加盟を約束した文言が盛り込まれなかったことです。


2008年のブカレスト・サミットの宣言は、事実上、同年のロシアによる大規模な軍事侵攻の引き金を引くことになりました。ロシアは周辺国のNATO加盟をレッドラインと見なして、この問題はウクライナ侵攻へも大きな影響を与えたこともよく知られています。


ちなみに今回の宣言でジョージアが言及されたのは第17項で、ロシアの軍事行動を強く非難する項目です。中心はウクライナですが、同項目の最後に、モルドバ共和国とジョージアへの不法駐留をやめるよう促しています。なお、モルドバは第28項でのパートナーシップでもボスニア・ヘルツェゴビナと並んで言及されています。これまでであれば、ジョージアはここでも言及されていたことでしょう。


あらためて国際政治の流動性を感じさせる動きです。


写真はHPの表紙にも使っているジョージア・カズベキ山の麓、ゲルゲティ至聖三者教会(გერგეტის სამების ეკლესია)。1999年7月~8月。ジョージアを訪れるすべての旅行者が目指す聖地ですが、まさにロシアとの国境に位置しています。




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