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[2024年12月27日]ジョージア情勢

 また一週間空いてしまいましたが、ジョージア現地では今も毎日デモが続いている状態です。これから触れるように明後日の12月29日の動きが注目されます。 

 すでに報じられているように元著名サッカー選手で国会議員を務めているミヘイル・カヴェラシュヴィリ (Mikheil Kavelashvili მიხეილ ყაველაშვილი) が12月14日に次期大統領に選出されました。ただ、反対派は間接選挙の中心となった国会議員について、その正統性を認めていません。

 カヴェラシュヴィリ氏は12月29日に大統領に就任予定ですが、ズラビシュヴィリ現大統領は新たな議会選挙が行われて「正統な」代表による大統領選出がなされるまで職を退かない姿勢を示しています。12月26日には29日連続で抗議デモが行われたと報道されています。

 カヴェラシュヴィリは「民衆の力」党設立者の一人で、その政治的スタンスから特に欧米でも様々な批判的な発言が出ています。かつてイギリス・プレミアリーグのマンチェスター・シティーでも活躍し、王家バグラティオニ家の分家出身の著名歌手リザ・バグラティオニの姉妹を妻としています。

 今年秋にジョージアを訪れた際に驚いたのは、おそらく久方ぶりの現地のサッカー熱でした。カヴェラシュヴィリも活躍したディナモ・トビリシはソ連時代からの名門サッカーチームで、サッカーはジョージア人がもっとも夢中になるスポーツでしたが、独立以降ずっと長い間低迷期が続いていました。しかし、今年6月26日になんとポルトガルを2-0で撃破するなど、近年復調の兆しを見せています。国民に人気の最も高いスポーツとして、現トビリシ市長のカラゼもACミランでの活躍で勇名を馳せ、現在の地位にまで上りつめました。ただし、ジョージアの夢党が選んできたこれまでの二人の大統領はともに所謂知識人階層の出身で、その意味では大きく候補者の属性を変えた印象もあります。これまでのところ政府与党は反対派にいっさい譲る姿勢を見せておらず、29日の現地情勢が懸念されます。

 

写真はラチャのニコルツミンダ聖堂のフレスコ画です。




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